近畿大学と聞いてすぐに思い浮かぶのが「水産研究所」ですね。
2002年にクロマグロの完全養殖に成功したことはメディアでも大々的に取りあげられ有名ですが、クロマグロだけではありません。
イシダイとイシガキダイを交雑してキンダイと呼ばれる交雑種を作りだしていますし、マダイのクローン魚やヒラメのメス化にも成功。
より優れた形質をもつ魚だけを選び優良品種をつくりだす「選抜」と呼ばれる方法で、天然魚よりも優秀な魚を誕生させており水産業界の発展に貢献しています。
そんな近畿大学の水産研究所による養殖専門料理店「近畿大学水産研究所 はなれ」が、2020年6月17日にJR東京駅「グランスタ東京」に新規開店するニュース、そして近畿大学水産研究所の直営店などについて詳しくお伝えします。
近畿大学と近畿大学のベンチャー企業である株式会社アーマリン近大は、国内にすでに2店舗(大阪梅田と東京銀座)の養殖魚を使った料理店をオープンさせています。
近畿大学が世界で初めて成功した養殖クロマグロをはじめ、同じ研究所で養殖に成功したふぐや選抜鮮魚のマダイ、シマアジ、近大産交雑魚「クエタマ」など鮮度抜群で美味しい海の幸を豊富に使ったメニューがウリ。
提供される料理が美味しいことで評判も良く「またたく間に席が埋まってしまう」「満席で30分待ちだった」「週末は予約が取りにくい」などの声も聞かれるほどの人気店で、2店舗合わせてすでに累計110万人のお客様が来店しています。
話題性はもちろん味の良さでも定評のある人気店の第3号店が、2020年6月17日(水)に満を持してJR東京駅「グランスタ東京」新エリア1階に新規オープンします。
既存の2店舗とは違い、今回は近畿大学が稚魚まで育て、その後各養殖業者で育成し出荷した「近代生まれの魚」が中心。
また国際基準の水産エコラベル認証制度「SCSA認証」を取得したエコな養殖魚を積極的に提供する予定で、水産業振興だけではなく環境意識についても貢献する方向です。
近畿大学で人工ふ化した稚魚を養殖業者で育て、提供する3号店は「養殖魚専門料理店」と銘打たれています。
料理の世界では「養殖魚より天然魚の方がより価値がある」と思われがちで、食べる側も「天然魚の方が美味」とイメージしている方も多いようです。
けれど天然魚の数には限りがあり、乱獲すれば個体数が大幅に減少し生態系へも影響を与えかねません。
そこで人工ふ化させた養殖魚を育成し計画的に市場に提供することで乱獲を防止し、さらに養殖業界の発展にも貢献できます。
「いつまでも豊かな海を守るために」近畿大学水産研究所の挑戦は、新たなステージに進んだのではないでしょうか?
近畿大学のベンチャー企業・株式会社アーマリン近大のアーマリンは「安全・安心」の頭文字であるA(アー)と、海を意味するマリン、そして近畿大学の略称「近大」からネーミングされました。
設立されたのは平成15年2月19日、事業内容は「近大卒の魚と紀州の恵み
近畿大学水産研究所(梅田店・銀座店)」の運営、「近大本くえ鍋セット」などの加工品の販売、成魚と稚魚の販売、区画漁業権漁場における養殖事業など。
アーマリン近大の特徴は、成魚だけでなく稚魚も販売している点にあります。
親魚から生まれた卵は海水を入れた水槽のなかで温度管理・水質管理をほどこして孵化。
稚魚はエサを食べるようになると陸上の水槽に移しプランクトンを食べてどんどん成長します。
水槽から生簀に移して中間育成させ、グループごとに数を調整してエサの配合なども変え、高い品質を保てるように厳しく管理し出荷されます。
近大から養殖業者に販売された稚魚、その後業者によって育成された養殖魚は「近大生まれの魚」と呼ばれます。
もちろん稚魚から成魚になるまで近大で養殖されたクロマグロやマダイ、シマアジ、ヒラメ、トラフグなども出荷されており、これらの養殖魚は「近大卒の魚」と銘打ってお店で提供。
養殖クロマグロはとくに脂がのり身の色が鮮やかで、たくさんの方から支持されています。
アーマリン近大のサイトでは「近大おさかな茶漬け」や「近大本クエ鍋セット(冷凍)」「近大キャビア」などの加工品が販売されています。
魚の加工品だけではなく、こだわりのだしポン酢や近大で養殖されたクロマグロを使ったおせんべいなどの食品も販売。
また近大のクロマグロファンには嬉しいメッシュを使ったキャップ(黒・紺)やマグロ、ヒラメなどをモチーフにしたブローチ、マグロストラップ、マダイストラップ、湯飲みなどユニークな商品がラインナップされています。
近大水産研究所ファンには嬉しいグッズの数々。
ぜひアーマリン近大のオンラインショップでチェックしてくださいね。
お店はJR大阪駅、阪急線・梅田駅、地下鉄御堂筋線・梅田駅から徒歩1分の好立地。
ランチは平日の11:00~15:00、ディナーは17:00~23:00ですが、人気店のため、食材がなくなり次第終了になります。
店内はバリアフリーで移動しやすく、ソファー席やカウンター席があり落ち着いた照明と海をデザインしたインテリアがお洒落。
座席は全95席で、4名個室、8名個室、12名個室など個室も充実で宴会にも適しています。
店内メニューでとくに人気があるのが「ランチ限定20食 昼のお薦めお膳」。
近大マグロのお造りから始まり、近大サクラマスと舞茸の変わり天麩羅や握り寿司盛り合わせ、あら汁、シャーベットなど合計10品提供で料金は税込み3,520円。
ランチメニューとしてはかなり豪華ですが、新鮮な近大卒のお魚を存分に楽しめるとあって大人気。
ほかにも近大マグロをふんだんに使った飲み放題コースや選抜鮮魚のマダイ、シマアジ、紀州や和歌山県の食材を使用した季節懐石も好評です。
「クロマグロは身がしまっていて美味しい」「お昼12時前なのにもう行列」など高評価が多く、美味しい養殖魚料理が食べたい方におすすめの店舗です。
予算はランチなら2,000~3,000円、ディナーなら3,000~4,000円と少々値は張りますが、コースの内容が充実しており満足度は高いです。
地下鉄 銀座駅から徒歩3分、JR有楽町駅から徒歩5分とアクセスしやすい立地で、大阪店同様、海をイメージした落ち着いたインテリアが特徴です。
各種宴会や接待にも使用できるよう個室も準備され、個室は最大18名まで着席できるだけのスペースがあります。
宴会としての需要も多く、飲み放題付きコースなど大人数向けのメニューも豊富で予算に応じた食事が楽しめると好評です。
銀座店の人気メニューは「近大マグロとわかしらすの紀州丼」で、名物養殖マグロとわかしらすがご飯の上にたっぷり乗せられ「ご飯が全然見えない」ほどの大ボリューム。
ほかにも名物マグロと選抜鮮魚を使った海鮮丼やお造り盛りなど、新鮮な海の幸が堪能できる人気店。
食材がなくなり次第その日の営業が終了するので「名物クロマグロが食べたい!」と思ったら早めの来店が吉です。
近畿大学と株式会社アーマリン近大がタッグを組んで国内2か所に出店した「近畿大学 水産研究所」は、天然魚より味や見た目が劣るとされていた養殖魚の知名度アップ、顧客開拓に大きく貢献しました。
開店してすでに6年、累計約110万人もの方に愛され高く評価されています。
これを足掛かりに2020年6月にはJR東京駅構内の「グランスタ東京」新エリアに新規出店。
今後ますます近大生まれや近大卒の養殖魚が認知され、さらに多くの方々に愛されていくことでしょう。