大学進学を希望する学生さん向けに、近畿大学文芸学部文化デザイン学科についてご紹介していきます。
文芸学部のなかでも開設されて間もない学科ですので、個性的な特色をぜひチェックしてみてくださいね。
近畿大学文芸学部文化デザイン学科は2016年に開設された学科で、文芸学部の学科の中ではもっとも新しい学科です。
講義の中では感性学系・デザイン系・プロデュース系と呼ばれている3つの領域を、横のつながりを持ってまんべんなく学習していきます。
これら3つの領域を幅広く学んでいき、さまざまな芸術活動を日常生活のなかでも活かしていく力を身に着けていきます。
また、そのために新たな仕組みをデザインしていったり、生み出していったりできる人材も育てています。
文芸学部のなかでも、未来を学び、夢を叶え、なりたい自分になることを目標にするのが、この学科の特色です。
それでは感性学系・デザイン系・プロデュース系の3つの各領域で学ぶ内容について詳しく見ていきましょう。
感性学とは、社会・文化・流行などの知識を養う学問で、哲学やサブカルチャーなどの分野も含めた、幅広い内容を対象としているのが特徴です。
この感性学系は文化デザイン学科全体の、学問的基礎として位置づけられている重要なものです。
「感性」とは感じる力のことですが、それだけではなく、私たちの幅広い行動にも影響するものなので、深く理解していく必要があるのですね。
空間、視覚、プロダクトという3つの分野の専門技術と、構想力や創造力を融合させ、新たな社会を提案していく力を身につけることができるのがデザイン系です。
物の色や形を考えて造るだけではなく、創造的発想法を大切にしているのが特徴です。
アートコミュニケーションやプロデュース、文化政策について主に学んでいきます。
地域活性化や商品企画、さらに近畿大学病院や芸術学科ともタッグを組んで医療環境に芸術を取り入れる「ホスピタル・アート」も実践しています。
これによりアートやデザインの社会化や事業化をめざした、総合企画力も身につけていくそうです。
総合大学としての強みを生かした教育となっているのが特徴ですね。
近畿大学文芸学部文化デザイン学科では、人間のさまざまな文化活動を社会につなげて生かすためのシステムを考え、実践していくための知識と方法を学んでいきます。
それらを達成するために、3つの系と8つの分野を履修するカリキュラムが組まれています。
8つの分野とは、感性学・感覚文化学・空間デザイン・視覚デザイン・プロダクトデザイン・アートコミュニケーション・プロデュース・文化政策のことです。
これら8つの分野を学びつつ、学年が上がるにつれて少しずつ自分の専門分野を絞り込んでいけるように設計されています。
その土台として、1年次からは専門科目の「ゼミナール」を履修し、専門的な知識と技術を習得します。
ゼミナールでは少人数できめ細やかな教育がされるのが特徴です。
2年次では研究テーマ決定につなげていき、専門性を高めて磨いていきます。
3年次には進路や研究テーマを掲げて専門性を伸ばし、学内外へも発信していきます。
4年次には成果発表を各自行い、一つの作品に集結しますよ。
文化デザイン学科の学生は、主にプロジェクト研究発表やデザインプレゼンテーションなどを行なっていきます。
近畿大学文芸学部文化デザイン学科で行われている、「ホスピタル・アート」と「商品開発プロジェクト」をご紹介していきましょう。
ホスピタル・アートは総合大学ならではの強みを生かした教育の一つです。
患者さんたちをアートの力で精神的にも身体的にも癒し、院内をより快適にしていくというものです。
文化デザイン学科だけでなく、芸術学科や近畿大学病院とも協力して、美術展や音楽会などを病院内で開催しています。
近畿大学がある東大阪は、「モノづくりの街」として有名です。
近畿大学は、製造業を主とした企業が集まっている東大阪の中心に位置しています。
大学の学生が企業と共同で商品開発や新ブラントの企画を考えていくのが、商品開発プロジェクトです。
プロジェクトチームを組んで社会人と会議をしたり、プレゼンテーションを行ったりもします。
なかにはすでに販売され、ヒットした商品もあるそうで、かなり本格的な取り組みですね。
近畿大学文芸学部文化デザイン学科では、主に必修科目・選択必修科目・自由選択科目のカリキュラムで構成されています。
その中では、文芸学部の実学的なプログラムも吸収していきます。
そのために教員と学生、あるいは学生同士の交わりを可能にするタスクワークを積極的に取り入れる教育も取り入れられているのが特徴です。
では、魅力的なカリキュラムとなっている文化デザイン学科で学ぶ授業のうち、「西洋芸術文化史A・B」と「プロダクトデザイン論」がどんな授業なのかご紹介していきましょう。
西洋芸術文化史A・Bは、芸術と文化思想のつながりを知る学問です。
西洋の芸術と文化が産み出されてきた過程を、その時代の社会的状況との関連なども含めて考えていきます。
一つの時代の芸術や文化が、人間活動のすべての領域とつながっているという内容を理解することが目標になっています。
衣食住のあらゆるシーンに介在するモノ(プロダクト)は、生活を支えるだけではなく、娯楽や趣味などさまざまなニーズからも発想されています。
それぞれの目的に合った機能性と、美的感性を合わせていくのがプロダクトデザインの中心課題です。
この講義では、生活そのものをデザインするという視点で学んでいきます。
まさに学科特有の科目になっていますね。
近畿大学文芸学部文化デザイン学科では、取得可能な資格として、「図書館司書」と「学芸員」があります。
図書館司書は司書課程を受け、必要な単位を取ることで取得可能です。
図書館の司書とは、図書館にある資料の専門的な知識を持って、利用者にサービスを提供する仕事のことをいいます。
司書資格は元々、公立図書館員になるための資格ですが、授業で学ぶ情報処理の理論と技術は、情報処理関連の資格を目指すためにも生かせるのが特徴です。
また学芸員は、博物館学課程を受けて、必要な単位を取ると取得できます。
学芸員は、博物館や美術館などで資料収集や調査研究などをおこなう仕事のことです。
授業以外に博物館での実習もあり、学外での体験学習の機会にもなります。
必修科目として博物館学などがあり、選択必修科目としては美術史、考古学などがあります。
博物館法が規定する科目を履修するので、努力が必要になりますが、高く評価される資格となっています。
資格の取得も可能になっているのですね。
近畿大学文芸学部文化デザイン学科についてまとめました。
個性的なプロジェクトや幅広いカリキュラムが特色の学科であることがわかりました。
ぜひ大学進学をご検討の際は参考にしてみてくださいね。