現代社会において必要不可欠な技術、情報技術(以下ITという)。
その急速な発展は私たちの暮らしを大きく変え、日々便利な生活を送ることを可能にしています。
この記事では、そのITに特化した近畿大学理工学部情報学科ではどのようなカリキュラムの授業が行われ、どのような資格の取得・進路を選択できるのかに注目してその魅力に迫ります。
日々、情報革命といわれる現代社会。
目まぐるしい速度でITの技術は進歩し、私たちの暮らしや経済を変化させています。
そのため、情報処理技術に長けた知識と技術を有する人材は多種多様な分野で求められています。
近畿大学の理工学部情報学科では、この時代のニーズに応じるべく2つのコースを用意し、
『より豊かな社会を創造するために、広い視野から問題の核心を的確に把握するための洞察力と技術的な課題を解決するための専門的な能力を兼ね備え、社会の一員としての責任と自覚を有する情報処理技術者の育成』を学科の理念として掲げ、日々人材を育んでいます。
情報学科は、主にソフトウェアに関する知識・技術を学ぶための『情報システムコース』とメディアを中心とした知識・技術を学ぶための『情報メディアコース』に分かれています。
どちらのコースも共通して業界に関する導入教育(基礎ゼミ)からはじまり、2年次からはより専門的な各コースの特色を生かしたカリキュラムが組まれます。
以下の3つの項目は特に注力されている点です。
①基本が大事、基礎学習に注力
情報学を学ぶ上で必須ともいえる数学や海外企業との情報交換に必要な英語を含めた基礎学習が充実。
②専門分野だけじゃない、幅広い視野を持つ人材の育成に注力
専門分野に精通していることは非常に大事ですが、幅広い知識は得ることで応用力にも繋がっていきます。
コミュニケーション能力や社会性のある人材育成にも注力しています。
③強力なバックアップにより資格取得に注力
学内のe-Learningを活用することで、エンジニアとしての技術力を証明するシスコ技術者認定などさまざまな資格取得のバックアップがあります。
今や誰もが当たり前のように利用している電子マネーをはじめとする、ネットワークシステムは情報科学の理論的基礎を組み合わせて処理されています。
情報システムコースとはこういった大規模情報システムの構築に対応できる技術者の育成を進めているコースです。
カリキュラムを通じて、情報科学の理論を学んでいきます。
主たるカリキュラムは以下のとおりです。
①ネットワーク技術Ⅰ・Ⅱ
ネットワーク技術Ⅰでは情報技術の基礎やその歴史を学び、ネットワークプロトコルの役割や構成を理解します。
ネットワーク技術Ⅱではネットワーク構築のための技術とその応用を学んでいきます。
②データベース論Ⅰ・Ⅱ
データベース論Ⅰでは管理システムの基本概念を学びます。
データベース論Ⅱではより高度なデータベースの構築や応用のためのデータモデルについて学びます。
③オブジェクト指向設計
ダイアグラムを用いて視覚的なシステム分析や開発を学びます。
オブジェクトに基づいたシステムのモデリングやプログラミング技法を学習します。
私たちは現在、どこにいても映像や音楽などのコンテンツを楽しむことができます。
それを可能にしているのが情報メディアといわれる分野で、視覚や聴覚の情報をいかにして伝えるかを学ぶのがこの情報メディアコースです。
社会にどのように情報メディアが関わっているのかを学び、情報をさらに活かせるような技術者となることを目標としています。
主たるカリキュラムは以下のとおりです。
①音声認識
音声認識技術の中核となるシステムを構築するための基本的な知識を学びます。
基礎理論や実践知識を取り扱っています。
②コンピューターグラフィックス
『どのようにこの図形が描かれているか』からスタートし、3D・CGの制作に必要となるモデリングやレンダリングなどのアルゴリズムについて学習します。
③コミュニケーション論
メディアコミュニケーションを意識し概念や形態・特性などを学びます。
最新の研究結果などからネットワーク社会のコミュニケーションについての理解を深めていきます。
情報科学は国籍の関係ない世界規模の学問ですが、両コースともJABEE認定のプログラムを実施するため、修了時には欧米主要国の認定プログラム修了者と同等に扱われグローバルな人材として名乗ることができる点にも注目です。
情報学科では、所定の単位を習得するだけで以下の資格が取得でき進路の幅が広がります。
・高等学校教諭一種免許状(情報・工業)
・図書館司書
また、日々のカリキュラムと関連性の高い資格として以下の資格の取得者が多くなっています。
・シスコ技術者認定
・応用情報技術者
・ネットワークスペシャリスト
・CGクリエイター及びエンジニア検定
・Webデザイナー検定など
特にシスコ技術者認定・情報処理技術者試験は大学が推奨している資格・試験であり多くの学生が受験しています。
シスコシステムズという大手ネットワーク機器会社が主催している資格試験のことです。
簡単に説明すると、英検の情報処理技術版だと考えていただけるとわかりやすいと思います。
難易度は自身の知識・経験を加味して選択することができます。
(基礎知識に対するものから大規模な会社のネットワークトラブルを解決できるレベルのものまで幅広く設定されています)
このシスコ技術者認定を受けることは、ネットワーク関連の仕事に就くにあたり信頼の証ともなるため就職時や昇給の査定などで有利に働く可能性が高く、取得が推奨されています。
経済産業省が主催の国家試験です。
情報処理技術者としての知識・技能が一定以上の水準であるかどうかが試されます。
情報処理技術の幅広い知識が必要となり、原理や基礎などの知識・技能が求められます。
シスコ技術者認定試験と同様、就職時などに有利に働くため取得が推奨されています。
また、ITコーディネーターなどの一部国家試験において試験の一部が免除されるメリットもあります。
さまざまな知識・技術を学び、最先端の科学技術を身につけた卒業生たちは多種多様な業種から求められており、その進路の選択肢は非常に幅広いものがあります。
卒業生の気になるその進路について調べてみました。
卒業生の半数以上が情報通信業に進路をとっています。
人気の理由は学んできた知識・技術を活かせる現場であり、一番シナジーの高い業界であるということです。
続くサービス業には20%程度の卒業生が進み、次いで大学院への進学が約12%となります。
他にも製造業や卸売業・金融などに進路を取る方もいるそうです。
私たちの生活に必要不可欠といっても過言ではないネットワークの世界。
その活躍の場は最早日本だけに留まらず、今回紹介した近畿大学の情報学科で学ぶことで世界を相手にすることもできるかも知れません。