理学と工学の両方の分野を備えて、それぞれの立場から多様な研究や教育を展開する、近畿大学理工学部。
同学部は、1949年(昭和24年)の近畿大学設立時からある学部の一つで、今年で学部開設から70年を迎えます。
そんな近畿大学理工学部には7つの学科があり、数学やモノづくり・化学・ITなど、理学と工学を駆使した分野を広く深く学びます。
今回は近畿大学理工学部の7学科のうち、理学科についてご紹介していきます。
「理学科にはどんなコースがあるだろうか」「卒業したらどんな道に進めるのかな…?」とお悩みの学生さんは、ぜひご覧ください。
進学先を選ぶときの参考になれば幸いです。
近畿大学理工学部理学科には、数学コース・物理学コース・化学コースの3つのコースがあり、それぞれの学問を追求できる環境が揃っています。
コース名からも分かるように、数学を専門的に学ぶことができます。
近畿大学に理工学部が開設した当時からある歴史が長いコースで、大阪府の私立大学の中でも数学を専門的に学べる珍しいコースです。
豊富なカリキュラムを通じて、基礎から応用まで学習をすすめていきます。
純粋数学の代数学・幾何学などにはじまり、応用数学のグラフ理論・暗号理論も学んでいきます。
数学コースでの学習を通して、論理的思考力・総合的判断力・問題解決能力などの力を学生たちがひとりひとり身につけていくのが目標です。
少人数制のゼミ・対話形式の講義・プレゼンテーションなど、一方的に座学で学ぶだけではなく、学生が積極的に学問に関わりながら学ぶことができます。
講義スタッフからは、最新の研究成果により充実した教育を受けることができますよ。
講義の「数学講究(1)」では、微分積分学・線形代数学の演習問題に向き合っていきます。
教員・学生同士で議論をしながら、問題解決の方法について学ぶことができますよ。
数学コースでは、学生生活を通じて理論だけを習得するのではなく、創造力や柔軟性を伸ばすことも目指していますよ。
物理学コースでは、まずは物理学の基本を体系的に学習します。
物理学の考え方と方法を身につけてから、未知なるものに対しても問題解決する力を鍛えていきます。
このコースでは、現代物理学の基礎である物理学・量子力学・相対論、知識を身につけた後、力学・電磁気学・統計力学などを身につけ、さらに素粒子から宇宙まで幅広い範囲を研究することができますよ。
講義の「物理学最前線」では、最新のトピックスを盛り込みながら7名の教授が日々研究していることを2回にわたって解説を行ないきます。
一見難しそうに思うかもしれませんが、初心者向けに解説してくれるため、入学したての学生さんも分かりやすいでしょう。
各教授の情熱がこもった内容を学ぶことができますよ。
他にも、最先端の素粒子像を解説する素粒子物理学や、宇宙の過去・現在・未来の姿を明らかにする宇宙物理学などの授業もあります。
近畿大学理工学部理学科の化学コースでは、1年次から専門的な授業を受けて理学的な考えを習得できることが特徴です。
コースでは、基礎理論の学習から、さまざまな実験を通じて化学の楽しさに触れていきます。
例えば「環境化学」の講義では、さまざまな年代の環境問題を学び、近代の環境問題への扱い方にも触れていきます。
新しい知識が早く更新される化学の世界ですが、頻繁にカリキュラムの見直しを行っています。
数学コース・物理学コースとの連携講義もあり、自然科学について幅広い視点から考える機会があります。
「卒業したらどんな進路を選べるのだろうか」と考えている学生に向けて、これからコースごとの進路傾向についてご紹介していきます。
2018年3月に近畿大学理工学部理学科を卒業した学生のうち、数学コースで最も多かったのは教員で31.6%でした。
民間企業を進路として選んだ割合では、情報通信業(21.0%)、卸売・小売業(15.8%)、金融・保険業(7.9%)と続いています。
卒業後は、幅広い分野で活躍することができます。
では物理学コース・化学コースは、どのような進路を選ぶのでしょうか。
どちらのコースとも、大学院への進学者の割合が高いです。
2018年3月に卒業した物理学コース卒業生のうち、大学院進学を選んだ割合は31.9%、化学コースは41.7%でした。
より深く学問を追求する学生が多いのが、両コースの特徴だといえるでしょう。
また、化学コースで大学院進学の次に進路選択者が多かったのが教員(18.8%)です。
なお、近畿大学理工学部の各コースで、所定の単位を修得すると取得できる資格は以下の通りです。
・数学コース・物理学コース…数学・理科・情報の高等学校教諭一種免許状、数学・理科の中学校教諭一種免許状、図書館司書
・化学コース…数学・理科・情報の高等学校教諭一種免許状、数学・理科の中学校教諭一種免許状、図書館司書、毒物劇物取扱責任者
そのため理学科の各コースでは、教員を目指す学生へのサポートに力を入れています。
例えば数学コースの教員志望クラスでは、3年次で学ぶ「数学講究」は、教育実習を想定した講義で、3年次の先輩が1年次の後輩の演習を手助けします。
学んだことを後輩に教えることで、どれだけ自分が授業内容を理解しているのか、またどうやったら分かりやすく伝えられるのか学ぶ良い機会ですね。
充実したサポートのもと、教員を目指すことができるのは嬉しいポイントです。
大学ともなると、専門的な内容の講義が増えるため、日々の復習が欠かせない学生さんも少なくありません。
特に理工学部は、高校まで習っていた数学や物理をより深く学ぶ機会が多いため、基礎から復習したいと考える学生さんも多いでしょう。
そんな理工学部生のために開設されたのが、学習支援室です。
理工学部生を対象とした学習支援室は、数学・物理・化学・生物の4つの基礎科目を、外部講師を招いて学生さんに教えてくれますよ。
「講義でわからないことがある…でも教授には聞きにくい」「教授に聞きたいけど、なかなか時間が合わず質問ができない」という学生さんから、「もっと詳しく知りたい!」といった学生さんまで学ぶことができますよ。
特に数学と物理は、日頃の講義にも関わる重要な科目なので、改めて基礎をしっかりと学ぶことができるチャンスです。
期間:2019年10月1日~2020年2月6日(期間中の火・水・木に開室)
火曜日・木曜日…物理・数学
水曜日…物理・数学・化学・生物
時間:火曜日・水曜日…13時30分~19時30分、木曜日…12時30分~18時30分
場所:近畿大学東大阪キャンパス
31号館2階
今回は近畿大学の理工学部理学科について紹介しました。
近畿大学理工学部理学科には、コースごとにさまざまな特徴があります。
明るい未来を実現できる可能性のある知識を身につけて、社会に貢献することができる人材を目指すことができます。
学習支援室でのサポートも行なっているので、「もっと勉強したい」「講義に追いつけない」といった学生も、しっかりと勉強することができます。
ご紹介をした近畿大学理工学部理学科について内容が、今後の進学の参考になれば幸いです。