将来建築関連の仕事に携わりたいと考える皆さんに関連する学部といえば、建築学部です。
今回は、近畿大学進学を希望する学生さん向けに、建築学部の概要や4年間の学びについてまとめました。
1つ目が、建築工学専攻です。
建築工学は、計画・構造・環境の3つの分野を総合的に学び、建築の能力を養う内容になっています。
美しく使いやすい建築を考える「計画」と安心で安全な建築を考える「構造」、快適性と持続性を考える「環境」を学びながら、建築実務で活躍できる高いレベルの建築技術者や建築士の育成をしています。
目標とする資格や検定は、一級建築士、二級建築士、技術士・技術士補、建築施行管理技士(1級・2級)、建築整備士などです。
カリキュラムには、理工学部建築学科で取り組んできた建築学教育も引き継いだ講義が含まれています。
その中でも、「設計演習Ⅲ」という科目では、設計を通して建物デザインを学ぶ内容で、社会的背景も踏まえて学校や福祉施設などの公共施設の設計を学べます。
2つ目に、建築デザイン専攻です。
建築デザインは、建築と文化や芸術、社会システムなどとのつながりを理解し、その上で新しい建築デザインを考えていく内容になっています。
歴史を踏まえた幅広い教養と専門知識の修得、そこから新しい建築を構想することを目指します。
また、都市における地域コミュニケーションの考察や、過去と現在の建築を繋ぐ思想を身につけることも学びます。
質の高いデザインとは何かを考えることや、発想と知識で次世代の建築デザインを考えていくことも課題となります。
目標としている資格や検定は、一級建築士、二級建築士、木造建築士、インテリアコーディネーター、インテリアプランナーなどです。
カリキュラムは、実践的な設計技術を学び、次世代の建築デザインを担う建築家の育成と、新しい発想とデザインが展開できるような内容となっています。
中でも「スタジオ設計Ⅰ」という科目は、建築家として必要な企画構想力とデザイン力、さらにプレゼンテーション力も身につけるために、課題に取り組んでいきます。
3つ目が住宅建築専攻です。
住宅建築は、デザインや工学的技術だけでなく、家族の在り方など社会学・心理学的側面についても学び、時代に合った住まいについて考えていく内容です。
建築物としての造形デザインやインテリアデザイン、ユニバーサルデザインなどについても学んでいきます。
さらに住宅と居住環境のあり方を再確認・再構成し、個々に適した住まいをつくる能力修得を目指します。
目標資格・検定は、一級建築士、二級建築士、木造建築士、インテリアコーディネーター、福祉住環境コーディネーターなどです。
カリキュラムは、これからの新しい社会や生活をつくる住宅の専門家を育成する内容となっています。
中でも「住宅構造学」という科目では、木造住宅の性質や各種工法の基礎を学べます。
最後に4つ目が、企画マネジメント専攻です。
企画マネジメントは、社会や人々共にどのように建築をつくるかと、どのように守り育てていくのかを考察する内容です。
建築の在り方を探求するため、建築企画や建築竣工後の維持・管理・経営分野に関する専門知識も学習していきます。
建築産業や不動産業にも対応しており、建築業の枠を超えてさまざまな業態にも対応できる能力を修得することが目的です。
目標とする資格・検定は、一級建築士、二級建築士、木造建築士、宅地建物取引主任者、不動産鑑定士などです。
カリキュラムは、建築企画、建築マネジメント、都市計画の分野を中心に実践的な知識・技術を学ぶ内容になっています。
中でも「建築再生論」の科目では、建築を使い続けるために実践的に建築再生の手法を学べます。
3年次にはこれら4つの専攻から興味関心に合わせて選び、学ぶことになります。
・建築学の基礎知識を身につける
まず1年次は、建築学の基礎知識を身につけていきます。
・2コースから自分の適性に合わせて選択する
2年次には将来を見据えたコースを選択します。
自分の適性に合わせて、「建築工学・デザインコース」と「住宅・企画コース」の2コースから選びます。
・興味のある分野をより専門的に学ぶ
3年次に繋がってきますね。
いよいよ3年次には4つの専攻に分かれ、さらに希望する研究室で興味のある分野をより専門的に学びます。
・好きなテーマで卒業研究・設計に取り組む
4年次になると自分の好きなテーマで卒業研究・設計に取り組みます。
4年間の集大成として卒業研究・設計を進めながら、問題を発見し、自分で解決する力やプレゼンテーション能力なども同時に身につけていきます。
建築学部では日々様々な研究を行なっています。
・設計系
「設計系」では、いつの時代でもニーズに合った新しい空間を創造し、社会に提供するのが設計系の大きなテーマとなっています。
人間にとって居心地の良い空間を作り出すノウハウを探し出すことが、究極の目標でもあります。
また建築物を作るには様々な分野の関係者が協力していくことが必要になるため、そこでは関係者をまとめるリーダーシップも求められてきます。
建築に必要な感覚を磨くには、実際の空間に足を運び、優れた建築物を訪ねることが大切にもなります。
幅広く学び、本当に居心地よい空間を設計することが重要なようです。
・計画系
「計画系」では、地域や建築の課題を利用者・生活者・管理者の視点で明らかにしながら日々研究しています。
また自治体の事業に大学生が参加し、まちづくりの現場を体験しながら、より良い建築物や都市をつくるための研究もしています。
その土地の社会経済状況を踏まえつつ都市の将来像を見据え、そこに建つふさわしい建築物を提案できる能力を身につけます。
・構造系
「構造系」では、災害に強く、財産や命を守る構造を考えることを大切にしています。
建築物に作用する、雪や風などの力に対して耐えられるように構造上十分な配慮が求められます。
また構造系の研究室では、材料の特徴を活かした構造のあり方も追求しています。
財産や命を守るという重要な役目を持っているので、建築物を陰で支えている構造の役割は大きいです。
・環境系
「環境系」では、建築物の内部空間の健康・快適性、建築物の省エネ・低炭素性などについて何が望ましいか、どのようにすれば実現できるかを日々研究しています。
研究テーマはたくさんありますが、中でも住宅の省エネルギー化は非常に大きい課題です。
省エネ計画自体を整理し、省エネ化にかかる費用を抑える技術を開発することが大きなテーマです。
近畿大学建築学部には4つの専攻、それぞれの研究テーマがあることがわかりました。